Spread
1-3、1-7 ヴォイシングはそのままで、右手で他のコードトーンを鳴らすものが Spread です。2つのパターンがあります。
右手の動きが少ないので非常に簡単で、すぐに覚えられると思います。これは『ザ・ジャズ・ピアノ・ブック』には載っていません。
注意点
両手を使ったヴォイシングはバッキングする時に使う事が多いと思いますが、スプレッドは音域が広く音数も多いのでソロより目立ってしまわないようにくれぐれも注意しないといけません。テナーサックスが低音でブリブリやってる時や、控えめな音色のギターさんがソロをしている時などに、このヴォイシングは向いてません。トップの音がソロよりも高い音域、あるいはその周辺にあると、ソロが目立たなくなってしまいます。また1-3、1-7 ヴォイシングと同様に左手がベースと干渉する可能性もあります。特にドミナントの時にピアノが低いルート音を弾き、ベーシストが裏コードを鳴らしてしまうとかなりの不協和音になります。ベースがいる時はドミナントだけアッパーストラクチャーやドロップ2などにすると(左手は3-7などになります)使いやすくなります。こういった音数と音域が広くなるバッキングはベースが居なくてトランペットやソプラノサックスが甲高くソロを取っている時にはいいかもしれません。案外使い道が限られるのではないでしょうか。そういう訳で『ザ・ジャズ・ピアノ・ブック』に載っていないのかもしれません。