ザ・ジャズ・ピアノ・ブック

2016/4/19 2:51
カテゴリー：本
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僕が出会ったジャズピアノの本の中で、最もお薦め出来る本です。

ザ・ジャズ・ピアノ・ブック
マーク・レヴィン著
ISBN:978-4-7549-3064-6
6,264 円（本体 5,800 円 + 税）

こういった本は、要点だけ説明して練習メニューを示すだけ、というモノが多いのですが、この本は丁寧に細かいところまでちゃんと説明しています。ある事柄を説明するのに、実際にレコードで使われている譜例を示し、その事柄が必要になった背景や歴史を解説したり、陥りやすい間違い等も言及していたりしてて、本当に関心してしまいます。そのため文字数が多いのですが、ユーモアを交えたり読みやすく工夫していたり、本当にこのマークレヴィンさんは頭のいい人なんだな、と思います。ジャズが好きな人は、読み物としても面白いと思うかもしれません。僕は楽しみながら読み進める事が出来ました。現在もこの本を使って練習しています。

この本はちょっとクセもあるので気をつけないといけません。コードの説明もほぼありません。そこは本ブログの「Theory」を参考にしていただければ嬉しいです。「コーダルとモーダル」の中でも書いてるのですが、ビバップのアドリブについての説明がほとんどありません。他の本で補う必要があります。お薦めの本や、ビバップのアドリブについては現在記事を書いているところです。

内容は以下の通りです。

Chapter 1 インターヴァルとトライアドの解説
Chapter 2 メジャー・スケールと2-5-1進行
Chapter 3 3ノート・ヴォイシング
Chapter 4 susとフリジアン・コード
Chapter 5 3ノート・ヴォイシングへの音の追加
Chapter 6 トライトーン・サブスティテューション
Chapter 7 レフトハンド・ヴォイシング
Chapter 8 レフトハンド・ヴォイシングの変化する音
Chapter 9 スケールの理論
Chapter 10 スケールの使い方
Chapter 11 スケールの練習
Chapter 12 So What コード
Chapter 13 4thコード
Chapter 14 アッパー・ストラクチャー
Chapter 15 ペンタトニック・スケール
Chapter 16 ヴォイシング、ヴォイシング、そしてヴォイシング
Chapter 17 ストライド・ピアノとBud Powellヴォイシング
Chapter 18 4ノート・スケール
Chapter 19 ブロック・コード
Chapter 20 サルサとラテン・ジャズ
Chapter 21 コンピング
Chapter 22 未解決事項
Chapter 23 練習、練習、そして練習
自分の弱点を練習する、足によるタップ、他
リスニングソロ、デュオ、トリオ、他
Appendix メジャー・スケール・ハーモニー、他
用語、特殊な業界用語、ミュージシャンのニックネーム

この本を出版しているATNの公式オンラインショップで、イントロダクションを読むことが出来ます。

注意しないといけないのがChapter4です。susとフリジアン・コードが、なぜかこんなに前に来ています。基本的に順番通り進めていけばいいと思いますが、Chapter4だけは、ヴォイシングが終わった後(Chapter16ぐあい)ぐらいでもいいんじゃないかと思います。ただ、susとフリジアン・コードはかなり使えるしカッコいいと思うので、飛ばすのはもったいないです。

英語読める人ならば、kindle版というのもアリかもしれません。随分安くなっているし、寝っ転がりながら読めるでしょう。

The Jazz Piano Book
by Mark Levin
Kindle 英語版
2,799 円

『ザ・ジャズ・セオリー』という、ジャズを学ぶ全ての楽器奏者向けの本もあります。この『ジャズ・ピアノ・ブック』はピアニスト用なのでヴォイシング等の解説が多くあります。その代わり、アウトサイドの演奏とかリハーモナイズとか、上級者向けの話題はあまりありません。僕は両方持ってますが、先に『ザ・ジャズ・セオリー』を買ってしまい、後からピアノ用があることに気づいて『ジャズ・ピアノ・ブック』を買ったのですが、『ザ・ジャズ・セオリー』にしか書いていない貴重な事もあるので、2冊必要だと思います。この2冊には重複部分があります。重複部分と、どちらか一方にしか書かれていない事については以下にまとめてみましたので、よろしければご覧ください。