ペンタトニックスケール
ペンタトニックスケールはメジャースケールから第4音と第7音を取り除いたスケールで、ヨナ(4-7)抜きスケールとも呼ばれているようです。ピアノだと黒鍵だけ鳴らせばこのスケール(Gbペンタトニックスケール)になります。なじみやすく親しみやすいのが特徴で、J-POPでもこのスケールでメロディーが作られた曲が沢山あります。
初心者のスケール?
ロックの人、とりわけギターを弾く人にとっては、最初に覚えるスケールという事になっているようです。それで初心者用のスケールだと思われているかもしれません。しかしジャズでは上級者向けと言っても過言ではありません。と言うのも、ジャズではこのスケールを使う場合はアウトする事が多いからです。そうでない使い方も勿論ありますが、アウトしたペンタトニックの破壊力はなかなかすごいものがあります。ペンタトニックと言えばマッコイ・タイナーで「The Real Mccoy / Mccoy Tyner 」「Inner urge / Joe henderson 」は必聴の名盤です。ペンタトニックは使ったらホールトーンの次に使った事がわかりやすいスケールだと思います。使わない人は全然使わないスケールです。という訳で優先順位は低いのですが、好きな人は極めると面白いと思います。
マイナー・ペンタトニックスケール
ペンタトニックスケールを第5音から始めたものは、マイナーペンタトニックスケールと呼ばれます。 ロック小僧が最初に覚えるは、このマイナーペンタトニックの方です。ブルーノートスケールと良く似ています。
覚え方
特にこれといった覚え方はありませんが簡単なのですぐに覚えられると思います。
使えるコード
さて、これが問題です。どこでどうやって使うか?『ザ・ジャズ・セオリー』によると
- IIコードには、I、IV、Vペンタトニック
- Vコードには、Vペンタトニック
- Iコードには、I、Vペンタトニック
- II-V-Iに対しては、Vペンタトニック
が一般的な原則とあります。Vペンタトニックとは5度上のペンタトニックという意味で、要するにCキーのツーファイブワン = | D-7 | G7 | I6 | なら、Gペントニックで通していいですよ、って意味です。コードの度数ではなくてキーからの度数です。注意してください。問題はアウトする場合も含めると、何でもありの様相を呈してくることです。さらに、本によってこれを使う!というのが違っているのがこのペンタニックスケールの悩ましいところであります。しかし、その事はペンタトニックの高い自由度を示しており、アウトすることを含めてどれを使うかはその人のセンスとなりそうな気がします。ペンタトニックはやはり、マッコイタイナーやチックコリアのアウトフレーズを分析するなどして自分なりにどう使うか?という答えを出しておく必要がありそうです。そんな理由で、やはりこれは上級者向けでしょう。
上級者向けのテキスト
アウトすることを前提にするとなかなか難しいペンタトニックですが、良い本があります。
この本はペンタトニックの使われ方を細かく分析しています。中でも13ページ以降の「ペンタトニック・フレーズの創作と留意点」に、インサイドとアウトサイドの遠近について書かれています。やはりこの辺をよく考えないと、アウトフレーズとして成立しないのでしょう。