フリジアンスケール
フリジアンスケールは、メジャースケールの第3モードです。エキゾチック、中近東風、オリエンタル…等と表現される事もある個性的な響きを持ったスケールです。しかし、それほど使うスケールではありません。『ザ・ジャズ・ピアノ・ブック』では前の方で登場していますが、モードジャズ以降の比較的新しいジャズで使われるようになったようです。なので初心者向きではないと思いますが、とにかくいい響きを持ったスケールで使えるようになると幅が広がると思います。
覚え方
- 長3度下のメジャースケール
- 半音上のリディアンスケール
フリジアンスケールは覚えにくいと思います。僕は丸暗記しました。丸暗記と言うのは
「ルート、短2度、短3度、完全4度、完全5度、短6度、短7度」
と音程でスケールを覚える訳です。どんなスケールでも慣れてくると最終的にこのような認識になるので、これが最短の記憶方法かもしれません。
使えるコード
- III-7
- フリジアンコード(phyrg, susb9)
III-7
古い本だとIII-7で使うと書いてありますが、その場合は2つ目の音であるb9thがアヴォイドになります。その場合は、長3度下のメジャースケールと考えても差し支えないと思います。つまり、III-7というのはIコードのルートが3度( IonIII )になっている訳です。ちなみにジャズでは、ほとんど出てこないです。
フリジアンコード
フリジアンスケールが本領を発揮するのは、フリジアンコードです。フリジアンコードはphyrgなどと書かれる事がありますが、マーク・レヴィンさんの本ではsusb9コードと表記しています。IIφV7alt を Vsusb9コードとリハーモナイズして使います。これについては長くなりますので、今後のブログネタとして置いておきます。
テンションとアヴォイド
フリジアンコードのコードトーンは何でしょうか?最も重要な音は
R、b9、4th、5th、7th
です。通常のコードとはかなり異なる考えで、この事からもスケール中心に考えている事がわかります。b9はかなり不協和ですが、左手でヴォイシングする時は以下のように鳴らさないと、フリジアンコードの響きになりません。
ルート音はベースが鳴らすと想定してます。ピアノのみの場合は右手で弾いてみてください。
フリジアンに似たスケール
フリジアンに似たスケールです。すべてマイナーキーのドミナントで使う事ができます。
メロディックマイナーの第2モードはフリジアンの不協和なb6を半音上げたものになっているので使いやすいです。スパニッシュスケールはフリジアンに長3度の音を追加したものです。インセンスケールは陰旋法と言って琴の調弦法らしいです。フリジアンから短3度と短6度の音を取り除いたものです。フリジアンコードの重要な音と一致しているので、フリジアンハーモニーには東洋的な響きがあるのだと思われます。