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リディアン7thスケール

リディアン7thスケール

リディアン7thスケールはメロディックマイナースケールの第4モードで、よく使います。 リディアン7thスケールは、リディアンドミナントスケール、リディアンb7thスケールなどとも呼ばれていますが、 どれも同じスケールを意味しています。本ブログでは、リディアン7thと呼ぶことにしています。

覚え方

  1. メジャースケールの4番目を半音上げ、7番目の音を半音下げる。
  2. リディアンスケールの7番目の音を半音下げる。
  3. ミクソリディアンスケールの4番目を半音上げる。

どの方法でも覚えやすさはそれほど変わらないと思います。理系の人は、リディアンとミクソリディアンの論理和、と解釈するとわかりやすいかもしれません。

使えるコード

  • ドミナントのV7コード
  • ドミナントのII7コード
  • サブドミナントマイナーのVIb7コード
  • サブドミナントマイナーのVIIb7コード

V7でリディアン7th

多くの本で、V7コードはリディアン7thにして練習しましょう、と書いてます。ついでにIコードではリディアンを使って練習効率を上げる意図があるようです。ミクソリディアンだと、ずっと使う音(インサイドの音)はメジャースケールになるので練習効果が低いからです。実際使ってみると前衛的な感じです。リディアン7thのヴォイシングでは、アッパーストラクチャーのII(『ザ・ジャズ・ピアノ・ブック』での呼称)が使えます。左手で3-7または1-7ヴォイシング、右手は全音上のメジャートライアドです。

リディアン7thスケールのアッパーストラクチャートライアドによるヴォイシング例

この譜例では、ピアノのみでサウンドを確認する事を想定していますので、ルートを加えたヴォイシングになっています。アッパーストラクチャーのトライアドを赤で示しました。G7の時はAメジャートライアドをCの時はDメジャートライアドです。ちなみにD-7で左手に11thのG音を加えてますが、これは So Whatヴォイシングと呼ばれるものです。とてもクールなサウンドになります。

Wes Montgomeryの『Four On Six』という曲がありますが、5小節目からツーファイブが続いて難しいところがあります。僕はここが大好きなのですが、リディアン7th祭りです。黒本1では70ページです。

| C-7 F7(#11) | Bb-7 E7(#11) | A-7 D7(#11) | Eb-7 Ab7(#11) |

この部分のドミナントコードでは、メロディが#11thになっています。リディアン7thスケールを意識したソロができるとカッコいいと思います。

II7でリディアン7th

それに対してドミナントのII7コードは、このスケールがピタリとハマります。

| C | C | D7(#11) | D7(#11) |

これは『Take the ‘A’ Train』の冒頭4小節のコード進行ですが、D7(#11)でメロディは#11を踏んでいます。

多くのスタンダードでこのコード進行でこの

II7 → II-7 → V7

がよく使われていますが、このII7ではリディアン7thスケールを使います。

VIb7でリディアン7th

VIb7はIIφの代理コードです。マイナーサブドミナント→ドミナントのケーデンスで

VIb7 → V7 → I-

という感じでよく使われます。多少理屈っぽい話になりますが、VIb7コードはマイナーキーのIIφをドミナント化(=II7)した時の裏コードでもあります。またサブドミナントマイナーの代理コードとしてVIb△も使えますが、この長7度を半音下げて短7度にしドミナント化したもの、とも考える事ができます。
そんな理屈はどうでもいいとして、大切なのはIIφよりも男性的でダイナミックな感じがする、という事です。マイナーキーのスタンダードではよく出てきます。黒本1を持ってる人は以下の曲とコードをチェックしてみてください。

『Autumn Leaves』(p20)のEb7
『Beautiful Love』(p23)のBb7(#11)
『Work Song』(p244)のDb7
『You And The Night And The Music』(p248)のAb7

代理コードなのでIIφ7ならどこでも使えますが、ブルージーな曲の方が合うと思います。この理由は、VIb7の7thはIのブルーノートスケールの-5thになり、これがブルーノートであるためブルーノートスケールとの相性がいいからです。例えば、『Softly, As In A Moaning Sunrize』(p192)では、DφよりAb7を使った方がイナタくなります。Ab7の7thはF#であり、Cブルーノートスケールの-5thでブルーノートです。実際、名盤アルバム『Kelly Blue / Wynton Kelly』に収録されている『Softly, ~』の中でウィントン・ケリーはVIb7コードを使って、全然爽やかさのない(勿論いい意味で)、ブルージーなプレイをしています。

VIIb7でリディアン7th

VIIb7コードもサブドミナントマイナーの代理コードですが、それほど目にしません。しかしセッションで演奏する事も多い曲『Days Of Wine & Roses』(p54)の2小節目のEb7(#11)で出てきます。

テンション

9th、#11、13th

アヴォイド

アヴォイドはありません。

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