スケールを覚える順番
ジャズで使われるスケールはたくさんありますが、いきなり全部覚えようとすると大変ですので、よく使うスケールから覚えていけばいいと思います。
STEP1
- メジャースケール
- メロディックマイナースケール
STEP2
- ドリアンスケール
- ミクソリディアンスケール
- ロクリアン#2スケール
- ハーモニックマイナー・パーフェクト5thビロウスケール
- オルタードスケール
STEP3
- ディミニッシュスケール
- ブルーノートスケール
- リディアン7thスケール
- ペンタトニックスケール
- ホールトーンスケール
- フリジアンスケール
- リディアンスケール
STEP1とSTEP2ぐらいまでは全てのキーでスラスラ弾けるぐらいにならないとスケールを使ってのアドリブは難しいかと思います。STEP3も、覚えるとより洗練されたフレージングやボイシングが出来るようになるので必須としておきたいところですが、スタイルとも関係してくるので好きなものから極めていけばいいと思います。例えばビル・エバンスはブルーノートスケールをあまり使いませんが、リディアンやリディアン7thスケールはよく使います。セロニアス・モンクやデューク・エリントンはホールトーン、マッコイ・タイナーはペンタトニックで有名です。
1960年代以前のジャズ、つまりビ・バップや、それより古いジャズの身につけたいという人ならばフリジアンスケールはほとんど必要ないと思われます。1960年代以降のモードジャズ、新主流派とも呼ばれる今現在の、コンテンポラリージャズを学びたいなら、これぐらいのスケールはすべて網羅する必要がありますし、さらに発展して誰も使った事のないような名前すらついてないスケールを研究する…という事になるかもしれません。『ザ・ジャズ・セオリー』では日本の陰旋法や雲井スケール、4ノートスケールも紹介されています。
色々ありますが、STEP1~STEP3にリストアップしたものぐらいは覚えて使えるようにしたいものです。と言ってもそれが大変なんですが…。スケールの道は茨の道。大変なのですが面白くもあります。
スケールの練習は本当に大切だと思います。僕は、多くの著名なジャズピアニスト達(確かオスカー・ピーターソン、マッコイ・タイナー、キース・ジャレットなども、含まれていました)へのインタービューをまとめた本….タイトルとか著者とかは全然覚えてませんが…ともかくとても面白い本がありまして、その中で、「どんな練習をしてましたか?」の問いに対して、スケールをよく練習したとほとんどのピアニストが答えていました。
という訳でコツコツ練習するしかありません。そこで覚え方について注意しなければならない事があります。
本によってアプローチが違う
のです。
そのアプローチによって覚えるスケールの順番が違ってきます。僕はこれで悩みました。はたしてどっちの方法がいいのか。覚えてしまった今となってはどちらも正解のような気がしています。そしてそれはビバップ/ハードバップとモードジャズのアドリブアプローチの違いでもあるような気がします。それについては「コーダルとモーダル」に書いてます。