スケールの使い方
リードシートのコードに対して使えるスケールを割り当てていきます。これが出来れば使える音がわかるようになります。インサイドとアウトサイドの音を一瞬で把握できるということです。 本やネットでは「アヴェイラブル・ノート・スケール(Available Note Scale)」で調べると出てきます。結構どの本にも書いてあると思います。細かいところは多少違うかもしれませんが、本のどこかにこんな表があるはずです。
T | Major | I6, I△ | Ionian |
---|---|---|---|
Lydian | |||
Minor | I-6, I-△ | Melodic minor | |
I-7 | Dorian | ||
Blue note | |||
Natural minor | |||
SD | Major | IV6, IV△ | Lydian |
II-7 | Dorian | ||
IV7 | Lydian7th | ||
Minor | IIφ | Locrian | |
Locrian#2 | |||
VIIb7 | Lydian7th | ||
VIb7 | Lydian7th | ||
VIb△ | Lydian | ||
IIb△ | Lydian | ||
D | Major | V7 | MixoLydian |
Lydian7th | |||
Com-Dim | |||
WholeTone | |||
IIb7 | Alterd | ||
H.M.P5th↓ | |||
Minor | V7 | Altered | |
H.M.P5th↓ | |||
Phrygian | |||
IIb7 | Lydian7th |
※ T=Tonic, SD=Sub Dominant, D=Dominat
トニックコード上のスケール(メジャーキー)
リディアンとリディアンオーグメント
普通はメジャースケール(イオニアン)ですが、本には練習効率の事を考えてリディアンで練習しましょうと書いてある事が多いです。まれにトニックでも(#11)と書いてる場合があり、この場合はリディアンを使わないといけません。
また 4度だけでなく5度も半音上げたリディアンオーグメントという前衛的なスケールも使えます。あまり基本なスケールではないと思って表には入れてません。これは短3度下のメロディックマイナーになります。Cの場合はAメロディックマイナーです。平行調のメロディックマイナーまま弾いてしまうと考えてもいいかもしれません。
ブルースの場合
あとブルース等ではトニックがI7になっており、この場合はブルーノートスケールが使えます。
III-7やVI-7
これらはIのメジャースケールで考えて差し支えありません。III-7はI△onIII, VI-7はIonVIという具合にベース音が変化しているだけだと考えます。III-7だからと言ってIIIのフリジアンを思い浮かべるのはナンセンスです。またIII-7もVI-7もドミナントにしてアドリブしてもかまいません。その場合はマイナーキーのドミナント用スケール(オルタード等)を使うとしっくりきます。
トニックコード上のスケール(マイナーキー)
メロディックマイナーが基本ですが好みもあると思います。でもナチュラルマイナーは野暮ですね。I-7の時はマイナーペンタトニックも使えます。ドリアンはモード的なヴォイシングとかフレーズとかと相性がいいと思います。
サブドミナントコード上のスケール(メジャーキー)
II-7ではドリアンを使うのが普通です。このII-7もII7のドミナントになる事があります。その場合はリディアン7thを使います。
サブドミナントコード上のスケール(マイナーキー)
サブドミナントマイナーは、IIφが最も多いのですが次にVIb7が多いです。
ドミナントコード上のスケール
メジャーとマイナーの区別が曖昧
マイナーとメジャーに分けていますが、ドミナントはマイナーキーとメジャーキーの区別が曖昧です。それはメジャーキーでもマイナーに分類されているオルタード等が使えるらです。その場合は当然マイナーの雰囲気を帯びてきます。
II7、III7、VI7
一般的にII7ではリディアン7thまたはミクソリディアンを使います。
III7とVI7ではオルタードかH.M.P5↓を使います。コンディミもギリギリセーフだと僕は思ってます。これらを表に分類しなかったのは一時的に転調してVになっていると考え、マイナーなのかメジャーなのかという事だけ考えれば良いからです。
オルタードとリディアン7th
IIb7は裏コードと呼ばれています。V7コードのリディアン7thとIIb7のオルタードは同じ音の集合になります。同様にV7のオルタードとIIb7のリディアン7thも同じ音になります。
つまりルートが違うだけで同じメロディックマイナーのハーモニーなのです。アンサンブルでは裏コードになるかどうかの決定権はベーシストが持っている事になります。要するに裏コードを弾こう!などと考える必要は無く、V7ではスケールの選択のみ考えれていれば良い訳です。ミクソリディアンで素直で陽気するのか、リディアン7thでちょっとモダンに明るくするか、オルタードで哀愁を帯びさせるか、緊張感の高いコンディミにするか、遊び心あふれるホールトーンにするのか、等等…