楽しいジャズピアノの練習方法を追求するブログ

ザ・ジャズ・セオリー

僕が出会ったジャズ理論書の中で、最もお薦め出来る本です。

ザ・ジャズ・セオリー

ザ・ジャズ・セオリー
マーク・レヴィン著
ISBN:978-4-7549-3078-3
8,208 円(本体 7,600 円 + 税)
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大きくて重いので、寝っころがって読んだり、通勤電車での立ち読みなどは困難です。お値段も、¥7600+税=¥8208と、勇気が必要というか、覚悟を決めないと買えません。でも、お値段以上の価値があると思います。

英語が読める人ならば、kindle版というのもアリかもしれません。随分安くなっているし、寝っ転がりながら読めるでしょう。

The Jazz Theory Book by Mark Levin

The Jazz Theory Book
by Mark Levin
Kindle 英語版
3,628 円
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理論書ですが読み物としてとても読みやすいです。リードシートの読み方、曲の覚え方、リスニング等、ジャズを学習する上で非常に役立ち、他の本に書かれていない実践的な事もたくさん書かれています。用語集もとても面白いです。音楽用語だけでなくミュージシャンが良く使う言葉なども含まれていたりします。すべての事柄にレコードで使われた実際の例がついているので、理論を感覚的に捉えやすいです。なので読みながらピアノ等の楽器を弾ける環境があった方がいいです。

洋書にはありがちなのですが、『簡潔さ』はありません。要点だけを簡潔に書いて、練習内容をもっと具体的に書いて欲しい、という人もいると思います。そういう人には向いていないでしょう。実際、僕の周囲では、せっかく買ったのに全然読んでない人もいます。練習方法については、「Chapter12 練習、練習、そして練習」にとても役立つ事が書かれていますが、細かな練習方法や課題、具体的な練習メニューは自分で考える必要があります。

とても素晴らしく分厚い本なので、ジャズの事なら何でも書いていると思われがちですが、案外そうでもないです。コーダルなアドリブの解説がほとんどありません。チャーリー・パーカーの、コード・トーンとアプローチトーンでフレーズを構成するアドリブです。なので、ビバップのアドリブについては他で補う必要があると思います。書籍ではJamey Aebersold Vol.1(日本語版)が良いと思います。またオムニブックという、チャーリーパーカーのアドリブ集みたいな本がありますが、それで研究するのもいいでしょう。

内容は以下の通りです。

【Part 1】理論:コードとスケール
Chapter 1 基礎理論
Chapter 2 メジャー・スケールと進行
Chapter 3 コードおよびスケールの理論
Chapter 4 スケールの練習法
Chapter 5 スラッシュ・コード
【Part 2】メジャー・スケールと進行
Chapter 6 スケールから音楽へ
Chapter 7 ビバップ・スケール
Chapter 8 アウトサイドの演奏
Chapter 9 ペンタトニック・スケール
Chapter 10 ブルース
Chapter 11 リズム・チェンジ
Chapter 12 練習、練習、そして練習
【Part 3】リハーモナイゼーション
Chapter 13 基本的なリハーモナイゼーション
Chapter 14 高度なリハーモナイゼーション
Chapter 15 コルトレーン・チェンジ
Chapter 16 3つのリハーモナイゼーション
【Part 4】チューン
Chapter 17 ソング・フォームとコンポジション
Chapter 18 リード・シートの読み方
Chapter 19 曲の覚え方
Chapter 20 ヘッド
Chapter 21 レパートリー
【Part 5】その他の重要なこと
Chapter 22 サルサとラテン・ジャズ
Chapter 23 未解決の問題
Chapter 24 リスニング

この本を出版しているATNの公式オンラインショップで、イントロダクションを読むことが出来ます。

ピアノの人は、この本のピアニスト用とも言える『ザ・ジャズ・ピアノ・ブック』を先に買う方がいいと思います。もしピアノ弾きなのに『ザ・ジャズ・セオリー』を先に買ってしまった場合なんですが、とりあえず安心してください。ヴォイシング等『ザ・ジャズ・ピアノ・ブック』にしか書いてない事柄もありますし、アウトサイドの演奏やリハーモナイズ等の高度な内容は『ザ・ジャズ・セオリー』にしか書いてませんので、費用的には大変ですが『ザ・ジャズ・ピアノ・ブック』を買ってしまってもいいと思います。

そういう訳で、ピアノの人はこの2冊の重複部分、どちらか一方にしか書いてない内容が気になると思います。『ザ・ジャズ・ピアノ・ブック』を読んでから、『ザ・ジャズ・セオリー』を買う人は、どこか飛ばせるところがあるのか?2冊持ってる人はどう読んで行くのがいいのか?と疑問をお持ちの方は、よろしければ以下の記事をご覧ください。

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