ジャズの聴き方-Step1:さらっと聴く
ジャズはしっかり聴かないとダメだ、みたいに思ってる人いるかもしれませんが、僕はそんな事ないと思います。まずは他のジャンルの音楽と同じような聴き方を敢えてするべきだ、と考えます。普通の聴き方をした時の判断を大切にしたいからです。聴き手が常に積極的に聴いてくれるという前提で音楽を作るアーチストは傲慢なのでは?とまで思ってます。
とにかく、ながらでいいので流してみましょう。
何を聴くのか?
僕が新しい音楽を探す時に一番参考になったのは、音楽好きの意見です。どこぞのサイトとかジャズの専門雑誌とか、そういうのもありますが、それ書いてる人には利害関係があるはずです。ジャズに限らず音楽好きは結構います。CDならば最低でも500枚ぐらいは持っているでしょう。そういう人が利害を取り除いて本当に好きだ、というものは大抵アタリです。
何をしながら聴くのか?
仕事や勉強だとあまり意識が音楽に行かないでしょう。音楽が仕事や勉強の効率を上げるという説が昔はありましたが、今は否定されています。通勤、通学中にヘッドホンで聴くのはあまりおすすめできません。トランペットやシンバルの高音域は激しく音が漏れます。また電車の騒音はウッドベースの音をかき消してしまいます。
食事中は結構、音楽に集中できます。あと、洗いもの等の簡単な作業中、車の運転中、読書中もいいです。寝る時もいいのですが、音楽に集中して寝れないのは困るし、寝てしまうと聴けないし、意味がわからないですね。
音源
音源はアルバム単位をお薦めしますが、自分でプレイリストを組んでもかまいません。別テイクがあるものは、再生しない方がいいのですが、さらっと聴く段階ではどちらでもいいです。再生時間も気にする必要ありません。常にかけておく訳ですから。
オーディオ
オーディオはちょっと注意があります。ウッドベースは小さなスピーカーだと鳴らないので、ジャズは他のジャンルと比べてスピーカーの口径の大きなものが必要になります。しかしそんなに高いものは必要ないと思います。
まじめに聴かなくてよい
とくに自分から能動的に聴こうと努力する必要はありません。このように、何か音楽が流れているBGM状態をいつも作りだす、という事が重要です。でないと忙しい人は音楽を聴く時間を作れないでしょう。要するに、ジャズも他のジャンルと同じように聴いていい訳で、別に熱心に聴く必要はありません。
繰り返し聴く…ただし1日1回
一週間くらい毎日流してみましょう。ただし1日に1回しか聴いてはいけません。同じ音楽を同じ日に繰り返し聴くのは禁止です。どんなに心地良くてもリピートしてはいけません。また明日のお楽しみ、という訳です。2回目以降はどうしても良さが落ちるからです。
好き嫌いの判断
ただ、ジャズに限った事ではありませんが、長く聴けるホンモノの良い音楽は、ある程度難しさがあります。そのため、第一印象はあまり良くない事がある、という事です。既にジャズが好きな人は最初から好きになれる事も多いでしょう。しかし、あまり慣れていない人は色々違和感があって、何回か聴いたけど好きになれない、と思うかもしれません。これはジャズに限らず新しいモノに出会った時の普通の反応なので、それで判断してしまわないように注意が必要です。なのでまずは10回ぐらい、つまり10日ぐらいはBGM的に流して聴いてみましょう。
それでも好きになれない事はあると思います。名盤中の名盤だと言われているが、好きになれないなぁ、と。しかし、そんな場合でも1カ月後、1年後に好きになる事があります。僕は何度もそんな体験をしています。人間も音楽も第一印象ほど当てにならないものはありません。その好き嫌いの要因は、曲なのか演奏者なのか、アレンジや構成など色々あると思います。例えば、ある曲が好きなれなかったとしても、他のアーチストが演奏しているのを聴いて、その曲を好きになることもあります。あるアーチストの印象がよくなくても、他のアーチストと絡んだ時に好きになる事もあります。
とにかく、性急に好き嫌いの判断を下す必要はありません。
ちなみに昔…1980年代、90年代はCDやレコードが高かったので、好きにならないと勿体ない、という感情が強く作用したと思います。だから、あまり印象が良くなくても「なぜこれがいいのか?」と考えつつ聴いたりして、それが自分の音楽の幅を広げてくれました。したがって、どんどんCDやダウンロード音源の価格が下がって、簡単に音楽が手に入るようになると、ジャズのようなとっつきにくい音楽は聴かれなくなる傾向があるのではないか…と思います。憶測ですが。
このように、まじめに聴かないかわりに聴く回数でジャズの複雑さを乗り切るわけです。
理解と好み
色々なよい音楽に出会うと、どんどん音楽の幅が広がっていきます。音楽に限らず、絵画、小説、映画などの芸術、芸能、また料理でも同じ事ですが、良いものを知ることで豊かになっていきます。自分が今まで知らなかった、聴いたことが無かったよい音楽ほど価値があります。しかし今まで体験したことが無いモノほど、とっつきにくいはずです。これは繰り返し聴くことで慣れてしまう場合が多いです。
それとは別に、色んな人に勧められた名盤とされるものなのに、何回聴いても好きになれない場合もあるでしょう。それは好みかもしれません。自分が良い作品を理解できないのか、あるいは単に好みなのか、この判断は難しいと思います。
こういった理由からも、好き、嫌いの判断は慎重にした方がいいでしょう。
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