『ザ・ジャズ・ピアノ・ブック』と『ザ・ジャズ・セオリー』の読み方
前の記事で、マーク・レヴィンさんの2冊の本『ザ・ジャズ・ピアノ・ブック』『ザ・ジャズ・セオリー』を比較して重複部分について調べました。今回は、この2冊をどう読み進めていくのがベストなのかを考えます。
基本的に、『ザ・ジャズ・ピアノ・ブック』に沿って読み進め、重複部分は『ザ・ジャズ・セオリー』を参照すると良いと思います。『ザ・ジャズ・ピアノ・ブック』は教本なので練習を進めながら読み進めて行くように出来ています。そのため基礎的な内容が前の方に来ています。一方で『ザ・ジャズ・セオリー』は理論書なので難易度ではなく内容によって分類されています。そのため『ザ・ジャズ・セオリー』の内容から練習を組み立てようとする時に順序を入れ変える必要があります。
以下
『ザ・ジャズ・ピアノ・ブック』は
[JP]
『ザ・ジャズ・セオリー』は
[JT]
と省略し、それぞれ色を付けています。
【】は僕が分類したものです。
【基本的な理論】
[JT]
Chapter 1 基礎理論
Chapter 2 メジャー・スケールと進行
Chapter 5 スラッシュ・コード
Chapter 13 基本的なリハーモナイゼーション
【基本的なヴォイシング】
[JP]
Chapter 3 3ノート・ヴォイシング
Chapter 5 3ノート・ヴォイシングへの音の追加
Chapter 6 トライトーン・サブスティテューション
Chapter 7 レフトハンド・ヴォイシング
Chapter 8 レフトハンド・ヴォイシングの変化する音
【スケール】
[JT]
Chapter 3 コードおよびスケールの理論
Chapter 4 スケールの練習法
Chapter 6 スケールから音楽へ
Chapter 7 ビバップ・スケール
【様々なヴォイシング】
[JP]
Chapter 12 So What コード
Chapter 13 4thコード
Chapter 14 アッパー・ストラクチャー
Chapter 16 ヴォイシング、ヴォイシング、そしてヴォイシング
Chapter 17 ストライド・ピアノとBud Powellヴォイシング
Chapter 19 ブロック・コード
Chapter 21 コンピング
【知っておくべき事】
[JP]
Chapter 23 練習、練習、そして練習
[JT]
Chapter 12 練習、練習、そして練習
Chapter 10 ブルース
Chapter 11 リズム・チェンジ
Chapter 17 ソング・フォームとコンポジション
Chapter 18 リード・シートの読み方
Chapter 19 曲の覚え方
Chapter 20 ヘッド
Chapter 21 レパートリー
Chapter 23 未解決の問題(4ノートスケール以外)
Chapter 24 リスニング
【高度な内容】
[JT]
Chapter 8 アウトサイドの演奏
Chapter 9 ペンタトニック・スケール
Chapter 14 高度なリハーモナイゼーション
Chapter 15 コルトレーン・チェンジ
Chapter 16 3つのリハーモナイゼーション
【お好みで】
[JP]
Chapter 18 4ノート・スケール
Chapter 20 サルサとラテン・ジャズ
『ザ・ジャズ・セオリー』の価値
【知っておくべき事】の内容は、練習の順序に関係なく早めに知っておいた方が良いと思います。そこに書いてあるのは、曲の覚え方やリードシートの読み方など練習や本番で非常に役立つ内容だからです。また『ザ・ジャズ・ピアノ・ブック』では、なんとブルースを扱っていないのです。未解決の問題にも、眼から鱗が落ちるような、また非常に面白い事が書かれています。
『ザ・ジャズ・ピアノ・ブック』の注意点
「Chapter 4 susとフリジアン・コード」が前の方に来ていますが、これは飛ばしてしまっていいでしょう。スケールと一緒に考えた方がわかりやすいです。ただし、これはとてもクールで重要な内容ですので『ザ・ジャズ・ピアノ・ブック』のみ所有されている方はヴォイシングとスケールが一段落したら、読んで自分の演奏に採り入れてみると良いと思います。 「Chapter 17 ストライド・ピアノとBud Powellヴォイシング」の、ストライド・ピアノですが、これは興味がある人だけでいいと思います。かなり難易度が高いです。Bud Powellヴォイシングは、使えるし簡単なので早めに練習しておくと良いと思います。
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