楽しいジャズピアノの練習方法を追求するブログ

アプローチトーンの練習(2016)

セッション等で Confirmation や Donna Lee、Ornithology といったチャーリー・パーカーの曲が選ばれた時、あ~ヤバいなぁ、と思ってしまいます。特に Donna Lee のようにテーマが素晴らしいビバップスタイルの曲だと、ソロがしょぼくなってしまうと非常にカッコ悪いです。ビバップの曲では自信を持ってカッコ良くビバップフレーズを繰り出したいものです。

そこでビバップフレーズの練習です。

チャーリー・パーカーを聴くとビバップではアプローチトーンが大切だとわかります。アプローチトーンの詳細と種類については、「チャーリー・パーカーの特徴1~アプローチトーン~」を参照してください。まず、ビバップらしく聴こえて使用頻度も高いダブルクロマティックとクロマティックのローテーションを練習することにしました。

CとC-の場合だとこんな感じです。
機械的なアプローチトーンの練習
これはクロマティック・アップ ⇒ ダブルクロマティック・ダウンの組み合わせです。ターゲットに対して半音下⇒全音上⇒半音上の音を前に3個配置します。7thや9thをターゲットにしてもいいのですが、アプローチトーンの中にコードトーンが含まれターゲット自体が不協和なテンションだったりするとあまりいい結果にならないため、とりあえず良く使うルートと3度、そして5度に限定して練習する事にしました。そうなるとマイナーセブンスコードやドミナントのセブンスコードなどは練習する必要ありません。あとは♭5thだけを練習すれば良い事になります。

これはそれなにりいい練習だと思いますが、もっと実用性を上げる為にはコード進行に沿って練習した方がいいと思い、適当にスタンダード曲を選んで練習し始めました。

枯葉だとこんな感じです。
枯葉でアプローチトーンの練習
でも、やっぱり実用的なフレーズとは言えません。練習の為の練習になっているなぁ、と感じたので今度はアプローチトーンとアルペジオを交互に挟んで弾いてみました。
アプローチトーンとアルペジオの組み合わせ
3度を弾いてルートの半音下⇒全音上⇒半音上とアプローチするパターンとアルペジオを組み合わせているだけです。機械的ですがこれはアリではないかと思います。一気にビバップぽくなりました。同じ形を3回繰り返しているので、モチーフの展開とも考える事ができます。次のコード、Ebは書いてないのですが、もう一回繰り返してもいい感じです。そして指使いも容易です。

でも、ちょっと機械的すぎる感じなのでアプローチトーンとアルペジオの種類を変えてみます。
アプローチトーンとアルペジオのパターンを変えてみる
【2小節目前半】
ダブルクロマティックとクロマティックのローテーションから、クロマティックスケール(より単純に半音づつ下降するだけ)に変更。

【2小節目後半】
上昇するアルペジオを第2音からオクターブ下に移動させるパターン

【3小節目】
適当にアルペジオ…。

これでぐっとパーカーぽくなりました。今使ったのは数少ないパターンを組み合わせているだけですが、どんどんフレーズが作れてしまいます。

アプローチトーンのターゲットは5度でも3度でもいいし、アルペジオも3度や5度からスタートしてもいいし下降するパターン等色々考えられます。さらに他の要素を追加すればパターンはどんどん増えます。ちょっと発展させてみます。
アプローチトーンとアルペジオのパターンを変えてみる
ビバップでは解決を遅らせる事(ディレイド・リゾルブ)がよくあります。C7の最初の4つの音はG-7のアルペジオです。F音はC7のアヴォイド・ノートですが、パーカーはこの緊張感ある音を上手く使います(赤で示してあります)。トニックコードのFでも、Bb音がうまく使われています。これはコールマン・ホーキンスやレスター・ヤングなど、パーカーの前の時代のミュージシャンから受け継いだそうです。

8分音符が多いのでもっと音符の長さに変化を持たせると、フレーズがもっと良くなるでしょう。こういった変化をもたらす要素は他にもヴォイスリーディング(リニアライン)やトリル、モチーフ、ビバップスケール等色々あります。こうなってくるとフレーズのバリエーションは無限に近いと言っても過言ではないでしょう。

そういった訳で、今はこういったフレーズを作る事に専念する事にしました。現在は色々なパターンを試して使えそうなものを書きためてるところです。

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