ジェイミーVol.1
以前の記事「アドリブの練習におすすめ iReal Pro」でマイナスワンについて、昔はジェイミー、今は iReal Pro と書きましたが、教材としてのジェイミーはすごくいいと思います。ジェイミー・エーバーソルド(Jamey Aebersold、以下、ジェイミー)シリーズは、100冊以上も出版されているマイナスワン教材です。洋書なので大方英語で書かれているのですが、基本的で重要なものだけ日本語化されているようです。僕はアドリブをちょっと出来るようになってきた頃にVol.1を買ったのですが、初めにこれを読んでおけば良かったのになぁ、と思いました。理論をある程度勉強して、そろそろアドリブにチャレンジしてみよう、と思ってる人にはうってつけの内容です。
How to Play Jazz and Improvise Vol.1 日本語版
Jamey Aebersold Play-A-Long Series
僕が持っているものは、ちょっと古いのでCDが一枚しかついてませんが、最近のものはテンポの遅いマイナスワンCDがもう一枚付いててCD2枚になっているようです。
文字数が多く読むところがたっぷりあります。日本人が書くともっと簡潔になるんでしょうけど、海外の人が書くと口述筆記のような、実際に話かけられているような感じで書かれています。
良いところ
重要な事がちゃんと書いてある
僕は沢山ジャズの本を買いましたが、なぜかアドリブする上で重要な事が書かれていない事が多いように思います。どんな事なのか、ちょっとだけ引用してみます。
—–引用開始—-
- ジャズのレコードを聴いて、どの様に2,4又は8小節のフレーズが演奏されているかをチェックして下さい。休符も含めて。
- ソロの時に、反復(するフレーズ)を使おう。反復は、道しるべの様に思えます。それによって、次に進む音楽の方向を他の人に示し、ソロに対する注目度を高めます。
- 拍の頭にコード・トーンを置く(演奏する)ことは、非常に大切な事です。特に1拍目と3拍目!この様にメロディーを作れば、サウンドがより自然で、優しく流れる様になります。常に各スケール1,3,5,7(コードトーン)を知っている事。ソロの中で、コード・トーンを船のいかりの様に利用して下さい。ジャズの名人は、必ずそうしています。採譜されたソロをチェック。Misty, I Can’t Get Started, TuneUp, Four等のメロディーもチェック。どの様に、1,3拍目にコード・トーンを使うのか考えて下さい。それをソロに応用すること。
- 私はよく思うのですが、優れたジャズのソロは、50%は感情で50%は知性で造られているのものです。
- 毎回ソロの中で知ってる事全てを、やろうとしない事。
- 緊張の多すぎる演奏になっていませんか-リラックスし過ぎも同じ
- まとまりのない話の様な演奏をしたいのですか?
- 私達は通常、今話した内容を覚えています。演奏でも、そうなっていますか?
—–引用終了—-
こういった事が沢山書いてあります。この中に一つでもドキっとするものがあったら読んでみるといいかもしれません。
悪いところ
読みにくい文字
内容には関係ないのですが、製本が雑です。ホッチキスて真ん中を綴じているだけです。カタカナが全部半角になっているので読みにくいです。レイアウトも空白や行間が狭すぎたり広すぎたりしています。なぜか句点がカンマになっていたりフォントの大きさが変だったりでデザインが素人っぽいです。
コードやスケールの説明がわかりにくい
理論やヴォイシングは他の本やネットで勉強した方がいいです。
使わない移調楽器の譜面がついてくる
これは全てのジェイミーシリーズに言える事ですが、全楽器を対象にしているので、Eb楽器、Bb楽器とベース用の譜面ももれなくついてきます。ピアノの人はト音記号マークのある譜面しか必要ありません。あまり管楽器の人たちと交流が無かったピアノの人は「移調楽器」の意味がわからないかもしれませんが、管楽器の多くは移調して記譜する必要があります。
色々と雑なところが目につくので文句を書いてしまいましたが、この本にしか書かれていない事も多いと思います。特にマーク・レヴィンの本『ザ・ジャズ・セオリー』『ザ・ジャズ・ピアノ・ブック』では、ほとんど扱っていないビバップや基礎的な内容にものすごい文字数をかけて説明しています。初めてアドリブをしようとしている人は目から鱗がおちるかもしれません。
どこで買う?
アマゾンでは2016年5月現在、在庫切れです。再入荷の予定もないと書いてます。僕は大きな本屋さんで買いました。輸入代理店でもネットで買えるみたいです。
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