ジャズの聴き方-Step3:分析
じっくり聴いていると、すばらしいアドリブはなぜ素晴らしいのか? 知りたくなります。演奏しない人は特に必要ありませんが、やってみても面白いと思います。
テンポ
まずは、テンポを計測します。最近のメトロノームやメトロノームアプリでは、タップしておおよそのテンポを知ることができます。もっと正確に測るなら、テーマなど1コーラスの時間を測ります。これと小節数と拍子の数がわかれば、後は算数です。以下の数式で計算できます。
テンポ = 小節数 × 拍子数 × 60 ÷ 計測時間(秒)
例)ソニー・ロリンズの『セント・トーマス』の場合
この曲は4拍子で、テーマは32小節です。それにかかる時間は38秒でした。
テンポ = 32(小節) × 4(拍子) × 60 ÷ 38(秒) = 202.105
構成
ソロの順番やバース交換など、全体の構成はどうなっているのかメモをとります。
アドリブ
アドリブフレーズをまずはざっくりと評価します。チェックシートを作っておくと便利です。元々はジャズの先生が生徒を評価するのに使っていたシートがあり、それを参考に自分で作っています。ビバップ、ハードバップ用のチェック項目はこんな感じです。
全体
- 音色
- 緊張/緩和の全体的なバランス
- 右手と左手のバランス(ピアノのみ)
- テクニック
- 特殊効果
- 相互作用
- 表現/個性/創造性
メロディ
- フレージング(休みの長さ)
- ダイナミックレンジ(強弱)
- アクセント
- アーティキュレーション
- メロディの方向
- メロディの音程
- クロマティック/ダイアトニックのバランス
- アプローチトーン
- アルペジオ
- スケール
- 単純/複雑のバランス
- メロディがハーモニーを示しているか
- ガイドトーンによるハーモニーの連結はあるか (ヴォイス・リーディング)
- モチーフの発展
- 装飾音
- フレーズとフレーズの関連
- 協和音/不協和音のバランス
- 代理コード
リズム
- 正確さ
- スイング感、ノリ
- 音符の長さ
- リズムの多様性
- グルーピング
- リズムの層
- フレーズの配置の多様性
このシートを3段階でも5段階でもいいので、先生になったつもりで評価します。また、このシートは自分のアドリブを録音しておいて反省する(落ち込む)のにも使えます。
各パート毎に聴く
パート毎に聴きます。主にピアノ、ベース、ドラムをそれぞれ聴くことになります。普段さらっと聴いているとベーシストでもない限りベースをしっかり聴いてないと思います。
イントロとエンディング
面白い、想像的なイントロやエンディングがあったらメモしておきます。
耳コピー
場合によっては耳コピーしてみましょう。耳コピーとは、音を聴きとり譜面にする作業です。正式にはトランスクライブ(transcribe)とも言うようですが、巷では耳コピと呼ばれています。専用のソフトやアプリを使う事になります。これは結構時間がかかります。また別記事にまとめる予定です。
ジャズの聴き方のまとめ
- 普段はさらっと聴く
- たまにはじっくり聴く
- 知りたくなったら分析する
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