楽しいジャズピアノの練習方法を追求するブログ

Evidenceについて

前回の記事「個性的な曲を演奏すると見えてくる問題」の中で、個性的な曲の一つとしてセロニアス・モンクの “Evidence” を紹介しましが、実はこの曲のリードシートに問題があると思うので書いておきます。

この曲は音を置く位置が重要なタイミングが命の曲です。黒本見ながらモンクの音源を聴くと違和感がありました。黒本では、最初の音やサビの音の位置は1拍の裏ですが、聴いてみると最初の音は4拍の裏だし、サビの音も全部1拍の裏ではなくて4拍の裏だとすぐわかります。それで思ったわけです。

Evidence の譜面が間違っている?

それとも

黒本のタイミングで演奏してる録音があるのか?

調べてみました

モンクの音源について

ブルーノート時代の1948年の録音はミルト・ジャクソン名義のアルバムにありますが、まだこの頃は固まっていない感じなので参考になりません。イントロでモンクがだいたい上記の譜例通りに弾いていますが、最初からミルト・ジャクソンのアドリブが始まるのでテーマメロディが無いような構成になっています。

リバーサイドでは3回の録音があります。1回目と2回目は1958年でテナーはジョニー・グリフィンです。アルバム”Thelonious In Action”と”Misterioso(CDのみ)”に収めらています。3回目は1960年でテナーはチャーリー・ラウズですがどのアルバムに収められているかは不明です。”The Complete Riverside Recordings”というCD15枚組ボックスセットに収録されています。

あと、1957年録音ですが発掘されて2005年に発売された”Thelonius Monk Quartet with John Coltrane – At Carnegie Hall”というアルバムがあり、これはジョン・コルトレーンがいた伝説のカルテットの録音です。

モンク以外では、”Shades Of Blue”というコンピレーションを持ってまして、息子のTSモンク(ds)とロン・カーター(b)、ドン・シックラー(tp)による録音もあります。

結果

黒本やリアルブック等、世間に出まわっているリードシートは

全ての音がきっちり一拍後ろにズレています。

黒本やリアルブックなど出回っている全てのリードシートがどの音源のものをトランスクライブしたのか謎です。ブラッド・メルドーのアルバム、ハウス・オン・ヒルの本人による解説内の譜例(Fig. 5 Thelonious Monk, “Evidence,” excerpt)も例外ではありません。

これに気づくのに結構苦労しました。全体がきっちりズレている為、それぞれの音の間隔(音程ではなく時間的な)は同じなので、なんとなく合っているように聞こえてわかりにくかったのでしょう。正解の譜面を8小節だけのせてみます。
Evidenceのメロディはこうだ!
僕はモンク以外でこの曲を演奏している音源をほとんど持っていませんが、Blue Noteの固まっていないモノを除いてこの通りに演奏しています。ただ、サックスによるトップノートが他のコードトーンになっている場合はあります。YouTubeなどの動画等も調べましたが黒本の通りに演奏している、つまり1拍後ろにズレた演奏を見つける事はできませんでした。

結論

先の記事、「黒本問題」で「どれが正解でどれが間違っている、という事でない」と書きましたが、これは間違いと言っていいケースだと思います。
黒本を使うのはいいけど最終的には耳で確認するのが大切ですなぁ。

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