楽しいジャズピアノの練習方法を追求するブログ

耳コピの前に

耳コピは大切なのか…じゃあ耳コピやってみるか…。

そう思って耳コピ環境も整え、さあ耳コピしよう!と意気込んでみたものの

何(どこ)を耳コピしようか?

という事になってないでしょうか。

耳コピが億劫にならないためには

人によって違いますが、耳コピは非常に時間のかかる作業です。好きでもない、あるいは誰が聴いてもつまらないモノをコピーしても仕方がありません。耳コピが大切だとしても、動機も効果も弱ければ億劫に感じられるはずです。

好きになったフレーズやハーモニーは実際どうやって作られているのか知りたい、そういう気持ちが強くなって、しっかりした動機をもって

“have to” ではなく “want to” で

耳コピしたいところです。
だから耳コピする前に楽しむのが先です。
参考:「ジャズの聴き方-Step2:じっくり聴く」

どこを耳コピするのか?

あるアルバムが好きになってじっくり聴くと言っても、ただ聴くだけでは注意力が散漫になります。なのでメモしながら聴いたりするわけです。

どの曲の誰のソロが良かったとかは勿論ですが「イントロやアウトロが素晴らしいぞ」とか「ソロの後ろでピアニストがコンピングしてるのが素晴らしいな」とか「曲の構成が凝っているな」とか、そういう感じで気付いた事は何でもメモします。そうすると、どこが気に入ったのか一目瞭然になるので、耳コピする、したい場所がはっきりしてきます。

メモのとりかた

ここで僕が今やっているメモのとりかたです。

表計算ソフトを使います。エクセルとかフリーの Open Office とかありますが、僕はGoogleのスプレッドシートhttps://www.google.com/intl/ja_jp/sheets/about/を使っています。これはクラウドだし共有したりも出来るので便利です。(注意:スマホでは使いにくいです)

まず構成を把握する必要があります。イントロやテーマの小節数、ソロのコーラス数等です。構成を把握したら列に書き込みます。イントロ、テーマ、tsソロ…といった具合です。行の先頭にプレイヤーを書き込みます。これにより曲のどこで誰が何をやっているかメモできます。
こんな感じになります。
表計算ソフトを使ったメモのとり方
耳タコ名盤「サキソフォン・コロッサス」メンバーですね。実際には時間やテンポを書き込むのですが、ここでは説明のため細かい事は書いてません。

構成を把握したら時間を測ります。イントロ、テーマ、ソロ…の開始時間です。1/10秒まで測らないと正確さを欠きます。従って、この段階で耳コピ専用のアプリやソフト(Mimicopy や Wavetone 等…)を使っておいた方がいいでしょう。ソロだけを何回も聴く時とか楽です。構成と時間が把握できればテンポを算出できます。算数が苦手な方は ジャズの聴き方-Step3:分析 に書いていますので参考にして下さい。

どんな事をメモするのか

次はいよいよ注意深く聴いて気付いた事を書き込んでいきます。各パート毎に積極的に聴いてみると色々発見があります。例えば、耳タコ名盤の耳タコ名曲、セント・トーマスをじっくり聴いているとします。

ドラムは名手マックス・ローチですが、イントロとテーマ、最初のロリンズのソロでは、意図してシンバルをほとんど使っていません。テーマとソロの間のアクセントをつけるため鳴らすだけです。ドラムをソロ以降は積極的にシンバル類を使って盛り上げています。次にダグ・ワトキンスのベースに注目してみましょう。テーマと最初のロリンズのソロでは2ビートで落ち着いた雰囲気です。ドラムソロの後は4ビートになり、バンド全体に躍動感が出ます。そして、後テーマの後半でまた2ビートに戻り落ち着きを取り戻します。
特に終わりのテーマをよく聴いてみてください。セント・トーマスは16小節を2回繰り返して、1コーラス32小節なのですが、終わりのテーマ1コーラス内の前半16小節と後半16小節は雰囲気が全然違います。前半はノリノリでドライブ感がありますが、後半は落ち着いています。その大きな要因はベースですが、メンバー全員が意図的にそうしているのがわかります。さらにエンディングに備えてテンポをわずかに落としています。
ロリンズのソロも、1回目と2回目では雰囲気が異なっています。それは全体の流れを考えての事でしょう。名盤と呼ばれているものは、バンド全体で音楽的なアイディアを共有して、同じ方向を向いていて、そして統制がとれているとつくづく思うのです。

他にも、気付いた事はどんどん書き込むようにしています。ドラムはどこでブラシからスティックに持ち替えたのか? 2ビートから4ビートにどこで変化したか? バンド全体でどういう意思・意図を持って演奏しているか? もしかしたらリーダーがこういった指示をしていたのではないか? 誰がミスをしたのか?等等…。

このようにして実際に書き込んだものを公開してみます。ソニー・ロリンズのアルバム「サキソフォン・コロッサス」の5曲のメモをとっています。

「サキソフォン・コロッサスのメモ例」

耳コピは大切だからやりなさい、と多くの人に言われてきましたが、実際やってみると耳コピ前の分析作業も大切だし、耳コピは分析作業の一部分にすぎないのだと実感しました。

耳コピしなくても案外多くの事を知ることができ面白くなってくるので、このメモのとり方は良かったなぁ、と思ってます。

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